「趣味は読書」と言うにはちょっと少ない、年間50冊にも満たない私の読書量。読むスピードも恐ろしく遅く、集中力が足りずに読了出来ない時もある。それでも本が好きで、言葉が好きで、紙の手触りが好きだから、これからも本を手に取り、マイペースに読み続けたいと思う。
という私なりの本に対する真摯な気持ちを再確認させてくれたのがこの【100年後あなたもわたしもいない日に】です。
五七五七七の五句三十一音の形式の中で自由に綴られた言葉たちは、暮らしの中の孤独と純粋を淡々と詠み、イラストはそれをエアリーな線で描いています。時にゆったりと取られた行間や余白にも想いが散りばめられているような、そんな静かな佇まいの作品。


読み進めていくとときおり現れる切り抜かれた小窓のページ。トリミングされたページはあちらとこちらを行きつ戻りつ世界を繋げていきます。

途中で収録されている土門さんのエッセイと、寺田さんのコミックもとても面白い!
恥ずかしながら、『カラザ』という言葉を私はこのエッセイの中で初めて知りました。その生命を守る仕組みを知ってとても感動したのだけれど、あ、続きは是非本の中で読んでいただきたいです。
本当に素晴らしい本に出会えたなと感じています。遠くへ行ってしまってもう会えない大切な人に贈りたくなったし、そうやって誰かが誰かの元へ「読んでみてよ」と届けながら、きっとこの本は、100年後もどこかの家の書棚で佇む一冊だと思います。
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著者 プロフィール
文:土門蘭(どもん らん)文筆家 小説や短歌などを執筆するほか、インタビュー記事のライティングやコピーライティングなども書いている。2017年京都に出版社文鳥社を設立。本作が初めての著書。
文鳥社さんの日記↓↓
http://bunchosha.hatenablog.jp/
イラスト:寺田マユミ(てらだ まゆみ) イラストレーター 大阪府在住
アクリルガッシュ、マーカー、鉛筆等で作品を制作している。書籍、雑誌、広告、展示等で活動中。
寺田さんのInstagram↓↓
https://www.instagram.com/teradamayumi_works/?hl=ja
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